丘の上に、綺麗な夜景が見える素敵な公園があるという。石畳の歩道をユルユルと登りながら、そこを目指す。
アタシの右側には、アタシの大切な人。シンジがいて。手を繋いで、指を絡めて、寄り添って歩く。いや、寄り添ってというより、もはやこれはしがみついてって感じ。だって、いくらくっついても足りないくらい大好きなんだもん。

大学の友人のおすすめデートスポット。少し遠いけどたまにはいいよねと、足を延ばした。
電車に揺られること1時間。電車を降りたときには、辺りはオレンジ色から藤色に移り変わり始めていた。
めったに訪れることのない街をブラブラ歩きながら、適当なレストランで早目の夕食を終える。食欲を満たしたところで、ようやくアタシたちは丘を目指した。

石畳を踏み締める。アスファルトとは違う、心地良い靴音。石畳に似合うガス灯を模した街灯の暖かな光に照らされると、否応なしに期待が高まる。丘まで続くゆるやかな上り坂は思ったより長く、その頂上はまだ見えて来ない。それでも苦にならないのは、やはり隣にシンジがいるからなのか。

大きなカーブを曲がると、そこに公園の入口があった。入口の先には、展望台らしく丘から張り出したテラス風の一画が見える。逸る気持ちを抑えつつ、アタシたちはまっすぐにそこへ向かった。

「「わぁ」」

眼下に開ける眺望に、アタシたちは目を輝かせた。ひとつひとつはとても小さな明かり。それが集まるだけで、これほど魅力的な風景を作り出すことに驚く。まさに宝石箱をひっくり返したよう。それ以外に言い表す言葉が見つからないほどに、アタシたちの目には眩しくそして魅力的に映った。今は暗くて見えないけれど、方角から言って、お天気の良い昼間には、正面の奥に海も望めるに違いなかった。
今度は昼間にも来てみたいななんて考えていたアタシを腕を、シンジがクイクイっと軽く引っ張る。

「ねぇ、あっちの方まで歩いてみよう?」

シンジの声に振り向くと、先程は気が付かなかったが公園は展望台沿いに長く続いていた。歩道の脇には大きなイギリス庭園風の庭が広がっており、花壇には多くの花々が咲き誇っている。この暗がりで花の美しい色がくすんでしまっていることが少し残念ではあったが、それでもこの美しい庭園を歩く価値は十分にあるように思える。
アタシたちは腕を組んだまま歩き出した。左手には眼下に美しい夜景が広がり、右手には美しい庭園。先には洋館のような建物も見える。素敵なデートスポットだと言う友人の言葉に、偽りはなかった。
そういえば、辺りはカップルの姿ばかり。みんなここぞとばかりに抱き合ったり、キスしたりしている。大きな木に寄りかかりながら縺れるように抱き合っているカップルを見つけて、今度はアタシがシンジの腕をクイクイッと引っ張る。

「ねぇ、ねぇ、見て見て。あの人達あんな格好で抱き合っちゃって」

「う、うん……」

「あっちはキスしてるわよ。しかもかなりディープなやつ」

そう言いながら、アタシは歩道上で濃厚なキスを交わしているカップルに顔を向けた。
興味津々のアタシに対し、シンジは居心地悪そうに下を向く。

「ちょっと、あんまりジロジロ見たら悪いよ」

「こんな人の多いところであんなキスしてるんだから、見てって言ってるようなものじゃない」

「でも……」

「まったく。これくらいのことで赤くなってんじゃないわよ。さ、あっち行きましょ」

アタシは肩を竦めると、再び歩き出した。
少し歩くと、段々と人影が疎らになってきた。みんな入口付近で見る景色に満足して、こんな奥の方までは歩いて来ないのか。しかしながら、公園のいちばん奥に位置するこの場所から見る夜景は、また格別だった。
先程とは少しだけ街を見下ろす角度が違う。たったそれだけのことなのに、輝度がずいぶんと増して見える。
傾斜の関係で光が重なって、強い光を放っているように感じるのかもしれない。それに加えて、この場所は樹木の陰になっているため街灯の光が邪魔をしていなことも効を奏しているようだった。

イギリス風庭園の終わり、洋館風建物の脇のベンチに腰を下ろす。
ここにはアタシたち二人しかいないのではないかと錯覚するほど、人気もなく、静けさに包まれていた。
アタシはシンジの肩にもたれて、この美しい夜景に見入った。それはシンジも同じらしく、シンジも静かにアタシに身体を寄せる。

高台に吹く夜風はとても涼しく爽やかであるとは言え、肌が密着するそこは周囲とは異なる熱を持つ。しかしそれは決して不快なものなどではなく、寧ろ心地良い。相手が愛しい人だからこそ。

「ねぇ、キスして?」

シンジの肩に頭を乗せたまま、アタシは顔を上げる。右手はしっかりとシンジの腕に絡めたまま、空いている左手でシンジの襟元を掴むとグッと自分の方に引き寄せた。シンジの返事を聞く前に、アタシは自分から唇を寄せる。

アタシの素早い動作に一瞬驚いた様子を見せたシンジも、すぐにキスに応えてくれた。差し入れたアタシの舌に、シンジの舌が絡み付く。温かくて愛しくて気持ち良くて。
でも全然足りないの。もっともっとシンジを感じたいの。もっともっとシンジが欲しいの。もっともっと……

キスを交わしながら、アタシはシンジの上に跨がった。フレアスカートの裾がふんわりとシンジの足を隠す。 アタシは正面から首にしがみいついて、愛しい唇を味わって。
なんだろう。この感じ。何時にも増してシンジが欲しくてたまらない。シンジの口中、隅から隅まで味わい尽くしてるのに。

きっとこの状況のせい。
まばゆい夜景と素敵な公園を、二人で独占してる気分で。世界にはアタシたちしか存在していないのではないかという、錯覚を覚えて。さっき見たカップルたちには負けないという奇妙な対抗意識が生まれて。

きっとそれが原因に違いない。
キスしてもキスしても、強く強く抱きしめても、なんか足りない。気分が高揚すればするほど、その思いは強くなって、もっともっとシンジが欲しくなる。

そう思っているのは、たぶんシンジも同じはず。
だってほら。アタシのお尻の下で、固くなって主張し始めたもの。

ジーンズ越しに主張を始めたシンジのものが、下着越しにアタシのあそこに当たる。布越しでもシンジを感じて、それだけですごく気持ち良くて、そのまま擦りつけるように腰を前後に揺らした。

「んんっ……っ」

唇を塞がれているのでくぐもった声しか出せない。本当はもっと大きな声で、その気持ちよさをシンジに伝えたいのに。アタシはこれだけで、こんなにもシンジを感じてるのよって。
なのにシンジはアタシの身体を抱え上げて、布越しの快感を取り上げる。

「あぁん」

抗議の声を上げると、シンジは困った顔でアタシを自分の膝の上から退けようとした。

「ダメだよ。そんなことしたら、我慢できなくなる」

アタシはシンジの首にしっかりとしがみつくと、

「アタシはもう我慢できないの」

そう言って、唇を重ねた。
シンジももっとアタシを欲しがって。もう我慢できないって言って。

アタシは深いキスを続けながら、自分のブラウスのボタンをひとつずつ外す。片手を後ろに回してブラジャーのホックを外すと、ベンチの上に膝立ちになった。

「もう、我慢できないの」

もう一度繰り返す。
シンジの肩に手をかけて身体を持ち上げ片手で緩くなったブラジャーをたくし上げると、顕になった乳房をシンジの唇に押し付けた。

「……ね?」

条件反射のようにシンジは口を開いて、すでに固く尖っているアタシの乳首を舌で転がす。

「っはぁ……んっ」

チロチロと舐めたり、唇で挟んだり。もう一方の乳房も、シンジの手で大きく形を歪めてる。大きく揉みしだいたり、乳首を指で押し潰したり。自分で催促したことだけど、でも、そんなことされたら……

「ぁんっ、ああぁっ……シンジっ」

シンジの口から乳房を引き離すと、代わりにアタシの唇へのキスを求める。ここが外だということを忘れてしまいそうなくらい、アタシはシンジに夢中になって。

「んふぅ……んん」

はぁ……もぅ、だめ……

首に回していた手で、シンジの首をなぞる。そのままスルスルと胸に手を這わし、そうしてお腹まで下ろした手をベルトにかけた。

私の手の動きに合わせて、ベルトの金具がカチャカチャと音を立てる。キスに夢中になっていたシンジも、その音でようやく我に返ったらしい。慌てて顔を離すと、外れかけている自分のベルトを手で抑えた。

「ダメだよ。誰か来たら……」

「誰も来ないわ。さっきからずっと二人じゃない。ねぇ、お願い……もぅ、我慢できない……」

「でも……」

「シンジはアタシとシタくない……?」

アタシは思い切り切ない顔をシンジに向ける。早く欲しいの。シンジが欲しいの。ねぇ、頂戴?

「シタくないわけないよ。今すぐにでも挿れたいけど。でも誰か来たらどうするんだよ。アスカの気持ちよさそうな顔、見られちゃうんだよ」

「アタシがシンジに感じてる顔だもの。シンジのことが大好きって言ってる顔だもの。そんなの見られてもいいわ。それに……」

シンジの手を取ると、スカートの中へ導いた。下着は何の役にも立たないほどに冷たく湿っているから。ねぇ、これでもダメ?

「もう、我慢できないの……」

アタシの濡れたあそこに触れた瞬間に、シンジにも我慢の限界が訪れたらしい。下着のクロッチをずらして、指がアタシの中に入ってきた。

「あぁぁぁっっ!!」

たったそれだけのことで、アタシは身体が震えてしまう。
ずらされた下着の隙間から、蜜が太ももをつたって。シンジはその蜜をアタシの突起に擦りつけたり、捏ねてみたり。

「あぁぁ……っん、だめぇっ」

アタシは震える手でシンジのジーンズに手をかけて、さっきよりずっと固くなっているそれを取り出した。
アタシが手で包み込むと、手の中でビクビクと大きく脈打つ。先っぽから出てくる透明な液体で、ヌルヌルして。

「っはぁ……アスカ、僕、もう我慢できないよ」

アタシの手の動きにシンジが悲鳴を上げる。アタシはとっくに我慢の限界を超えてるんだから。膝立ちのまま、アタシは自分の下着を片足だけ抜いた。

「いっぱい気持ちよくなろ?」

アタシはそのまま腰を落とした。何の抵抗もなく、スルッとシンジが入ってくる。

「はぁぁぁぁぁっ」

それだけで、アタシはイっちゃいそうなくらい気持ちよくて。

「ダメっ。動かないで!」

アタシを突き上げようとしたシンジを静止した。

「入ってるだけでイっちゃいそうなの。お願い動かないで」

「ダメだよ。そんなの我慢できない」

「やぁん……アタシが動くから、シンジは動かないで」

そう言って、アタシは前後に腰を大きく揺らした。もっともっと奥まで入るように、アタシのいいところが擦れるように。もう荒い息しかできなくて、言葉なんか出てこなくて、シンジにしがみついているのが精一杯。

「あぁ……っはぁ……もぅ、ダメ。イっちゃう……あああぁぁっ!!」

アタシは一度目の絶頂を迎えた。グッタリともたれかかっているアタシを、シンジが下から突き上げる。

「あああっ、まだ、ダメぇぇっ!!」

まだヒクヒクと震えている敏感なあそこにシンジのものが打ち付けられると、それはまたすぐに訪れてきて。

「ダメ、ダメぇっ……アタシが動くから、シンジは動いちゃダメっ」

その言葉に、ようやく動きを止めたシンジの肩に手をかけて、アタシは上下に跳ねるように大きく動いた。 奥まで当たるように勢いよく腰を落としたり、擦り付けるようにグラインドしたり。

「っはぁ、ダメ……またイっちゃう……」

「僕も、もぅ……はあ、イキそうだよ。いい? アスカ、気持ちいい?」

「あぁん、シンジぃ……きてぇぇっ」

シンジが激しく突き上げる。自分で動くのとはまた違った快感に襲われて、アタシはもう陥落寸前。

「はあぁぁぁぁっ、シンジぃぃぃっ」

シンジが一突きするたびに、アタシの意識が少しずつ遠くなってく。

「イクよ。アスカ、イクよっ」
「ああああああっっっ!!!」

アタシは身体を大きく仰け反らせて、そして色のない世界に意識を飛ばした。




「んふぅん……気持ちよかった」

「僕も……」

アタシたちはまた唇を重ねて、そして見つめ合って微笑んだ。

「あっ、ダメぇ」

グチャグチャに繋がったままのアタシを、シンジが抱えようとするから。

「もうちょっとこのままで……いて?」

「でも誰か来たら困るよ」

「大丈夫よ。今まで誰も来なかったんだから。ね、お願い?」

アタシは下からシンジを覗き込む。
お願い。もうちょっとこのままでいさせて。

「んもぅ、しょうがないなぁ。あと少しだけね」

そう言って、シンジはアタシをギュッと抱きしめた。もちろんあそこは繋がったまま。
んんっ、気持ちいい……
アタシのあそこはまだヒクヒクして。離れたくないって言ってる。

だって、しょうがないじゃない。
アタシはアンタのことが大好きなんだから。







あとがき

エロ第二作はいかがだったでしょうか?
今回はおねだりアスカさんで。
二作連続屋外というのが気になるところ。
私の趣味……ではないはずwww

このままだとエロ作家に転向してしまいそうです。やばいです。
エロ書くの、楽しすぎます。
でもね、ホンワカ作家を自称してるし、このままエロを書いていてもいいのかどうか……
エロ存続希望の方(←そうじゃない人も)、ぜひ感想ください。




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